
# はじめに
　QEMUというエミュレータを使用して、Windows10上で動作するARM版RaspberryPi環境を構築する方法を紹介します。
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# 前提知識
## ARMアーキテクチャとは
> Armアーキテクチャは、コンピュータ・プロセッサー向けのRISCアーキテクチャのファミリです。プロセッサー・アーキテクチャとしては、世界で最も普及しており、各種センサーからウェアラブル端末、スマートフォン、スーパーコンピュータに至るまで、毎年数十億個ものArmベース・デバイスが出荷されます。
> https://www.arm.com/ja/why-arm/architecture/cpu

## QEMUとは
> QEMUは機械全体をエミュレーションするシステムエミュレーションと呼ばれる環境と、Linuxのユーザーランドをエミュレーションするユーザーエミュレーションと呼ばれる環境がある。
> https://www.qemu.org

## Raspberry Piとは
> Raspberry Pi（ラズベリー パイ）は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されている。日本語では略称としてラズパイとも呼ばれる。
> https://www.raspberrypi.org/

## Raspbianとは
> Raspbian(ラズビアン)とは、Raspberry Piハードウェア用に最適化されたDebianベースのオペレーティングシステムです。
> https://www.raspberrypi.com/software/operating-systems/

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# QEMU for Windows のインストール
## QEMU Binaries for WindowsのWebサイトを開く
https://qemu.weilnetz.de/w64/

## 最新のインストーラをダウンロード
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_19d431d358bd4cd03eb39d5f2fb4ae37.png)

## インストーラを実行
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックする
- 言語選択画面ではデフォルトのまま「OK」をクリック
- セットアップ画面が開いたらそのまま「Next」をクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_aa4a34e1c8e3ef94bcb09c303b1b994e.png)
- ライセンス条項を確認したら、「I Agree」をクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_7993e3848d3cf8f8ae03222b20b75153.png)
- コンポーネントの選択はデフォルトのまま「Next」をクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_ab72340c08422316e6254295eb9a0102.png)
- インストール先を選択したら「Install」をクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_fc2d6bb3200764339c6631fe58ca50ea.png)
- インストールが終わったら「Finish」をクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_213d2453cb7fe274e23ae48066f9d447.png)

# Qemu kernel for emulating Rpi on QEMU のダウンロード
## Qemu kernel for emulating Rpi on QEMUのサイトにアクセス
https://github.com/dhruvvyas90/qemu-rpi-kernel

## Githubから必要ファイルの用意
- 「kernel-qemu-○○○-stretch」をクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_0308ee793039853b3737b490b48a942f.png)
- 「Download」ボタンをクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_7e89cdcc00bf70b4aa86b10cfe57a2f9.png)
- 先程のページに戻り、「versatile-pb.dtb」をクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_645750a036109b43a311d81b6c100c02.png)
- 「Download」ボタンをクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_7e89cdcc00bf70b4aa86b10cfe57a2f9.png)

# Raspbianのダウンロード
## RaspBianのダウンロードサイトにアクセス
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/raspberrypi/raspbian/images/raspbian-2017-12-01/

## イメージの用意
- 最新の「○○○○○-raspbian-stretch.zip」をダウンロード

![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_ea23afd021e4b2b63ab4360ec6047fde.png)

- ダウンロードしたzipファイルを解凍する
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_2f6f9ff06cc27cff7544ae7632e9e124.png)

# Raspbianの起動
## ファイルの準備
- 任意の場所にフォルダを作成し、その中に先程ダウンロードした「kernel-qemu-○○○-stretch」、「versatile-pb.dtb」、「○○○○○-raspbian-stretch.img」の3つのファイルを入れる

![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_5283d5db4deec68485afe1ae583da66e.png)

## start.batの作成
- フォルダ内に「start.bat」というファイルを作成する
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_7dda4fce097efb1dbdb34016ee403e88.png)

- 「start.bat」を右クリックし、「編集」を押し、以下のコードを記述する
※QEMUのインストール先を変更した場合は、「 “C:\Program Files\qemu\qemu-system-arm.exe” 」を自身の環境の通りに変更する

```
"C:\Program Files\qemu\qemu-system-arm.exe" -kernel kernel-qemu-4.14.79-stretch -cpu arm1176 -m 256 -M versatilepb -dtb versatile-pb.dtb -no-reboot -append "root=/dev/sda2 panic=1 rootfstype=ext4 rw" -net nic -net user,hostfwd=tcp::10022-:22 -hda 2017-11-29-raspbian-stretch.img

pause
```

## 起動
「start.bat」をダブルクリックし、Raspbianを起動する
※起動する際にコマンドプロンプトとRaspbian(GUI)の両方が開く

![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_4bb3b5b9d98d9686b0c7ea499aa49446.png)

# RaspbianでSSHを有効化
## Terminalの起動
「Terminal」アイコンをクリック
![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_d3461226e75ace8f7f2c66e6ed45f26c.png)

## SSHを有効化
Terminal上で以下のコマンドを入力
```
sudo systemctl enable ssh 

sudo systemctl start ssh
```

![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_27e031b1df4771c8f55779b8b29ed5bb.png)

# Windows10からSSHでRaspbianにアクセス
## コマンドプロンプトの起動
Windows10上で左下の検索欄から「コマンドプロンプト」と入力し、コマンドプロンプトを起動

## SSHで接続
コマンドプロンプト上で以下のコマンドを入力し、RaspbianにSSH接続する
※アカウント「pi」のパスワードは「raspberry」

```
ssh pi@127.0.0.1 -p 10022
```

![](https://www.munenick.me/hackmd/uploads/upload_11ba64566718913d2ed63984ded5ac4d.png)

以上ですべての手順が終了しました。コマンドプロンプトからだけでなく、「Putty」や「Win-SCP」といったソフトウェアからもアクセス可能です。

# おわりに
　今回はWindows10で動作するARM版RaspberryPiの構築方法を紹介しました。現在、学校でARMアセンブラの勉強をしていて、自宅にもARM環境が欲しくて構築をしました。自宅にRaspberryPiがないけど、ARM環境がほしい方はぜひ構築してみてください。

# 参考にさせていただいたサイト
- https://www.kkaneko.jp/tools/container/windows_qemu.html

MuNeNiCK.me

Windows10上にARM版RaspberryPi環境を構築する方法

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